昨日ブログで、クラスメートでもある
サウジ女子の権利について書いてから、
心の中に、もやもやが残っていました。
サウジ女子たちは、そしてサウジ男子たちは
その話題について、どう感じてるのだろう。

ボストン大学の授業で今日、
「女性の選挙権・参政権について、 
 各国の実態を聞かせてほしい。
 それをどう思っているのか、聞きたい」と、
ほかの15人のクラスメートに
議論を持ちかけてました。


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きっかけは、授業のなかで、
米大統領のファーストレディー
ミッシェル・オバマ氏が取り上げられたこと。

民主党のヒラリー・クリントン氏が、
「米国史上、女性で初めて主要政党の大統領候補になった」
党大会でミシェル氏は「応援演説」をしています。



授業ではこのYouTube動画(CNN)が流され、
印象や中身をクラスメートと話し合いました。

ミッシェル氏は、ヒラリー氏のライバルである
ドナルド・トランプ氏を名指しはせず、こう言います。
“No, our motto is, when they go low, we go high.”
先生に意訳を聞くと、
「彼ら(ドナルド・トランプら)がゲスくっても、 
 私たちは気分上々でいこうよっ」

聴衆をポジティブな気持ちにさせつつ、
相手をさらりと皮肉る。
これぞアメリカンスピーチですね。

スピーチ後、この一説をハイライトとして、
メディアが見出しに抜き出しています。

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さて、このスピーチの感想を言い終わると、
そのまま次の話題に移ろうとしていました。

せっかくミシェルやヒラリーの話をしながら、
「それはアメリカの話だよね」
と終わらせるのがもったいないと思いました。

それで冒頭の議論を持ちかけました。
ただ、反応がイマイチ鈍いので、
「女性だけでなく、サウジの男性にも。
 女性の権利への意見を聞きたい」

これは沈黙の火に
さらに水を注いだみたいで、
みんな、下を向いて黙り込んでしましました。

先生が見かねて、間を取りました。

「いい問題提起だが……
 少し……そう、エモーショナルな話題。
 ……どうだろう……明日、
 ディスカッションは明日にするかな?」

「そうだな……
 最初はスモールグループで……
 話した方がいいかもしれない」

私の提案は、無残に土俵際まで追い込まれました。

しばらくの沈黙後、
ベネズエラ人の女性が 

『うちの国、大統領って、いなんだけど』
と、スペイン語なまりの英語で口火を切ります。

まったくトンチンカンな回答なんですが、
そもそも私のカタカナ英語が通じていない。

私「いや、大統領選とかに限らず、
 市長とか地方の選挙でもいいから、 
 とにかく選挙権の話をしたいのだけど」

先生『つまり……
 もっと下のレベルの選挙でもOKと。
 ……だけどどう、明日にする?
 この議論……?』

カザフスタン人の男性
『……いや先生、今日でいいじゃないですか』

ここで風向きが変わり、
クラスメートたちも渋々うなずきます。

この間、サウジ女子もサウジ男子も
ずーっと黙っていました。

議論を始めるだけでも一苦労。
それだけ敏感な話題だと知りました。

続きはまた明日!
See you tomorrow


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