当選後のトランプ大統領の心境、
これから先の道のりについて、
私なりに、ひも解きたいと思います。
トランプの集会@NH州
リポート第7回、最終回を兼ねます。
「Make America Great Again」
(アメリカを再び偉大に)
というキャッチフレーズで聴衆をあおり、
支持者からは圧倒的な支持を受けました。
本当にそのお鉢が回ってきてしまいました。
トランプは内心いま、焦っていると思います。
現場の集会や、アメリカでの報道、
そしてある民主党支持者との会話から、
背景や理由を書きます。
■熱狂ファンと見せた素顔
ヒラリー、トランプ、
同じNH州であった両方の集会に参加しました。
投開票間近で、
ヒラリーを見たときはヒラリー有利、
トランプを見たときはトランプ挽回、
そんな空気が会場に流れていました。
会場の大きさの問題もあって、
集まった支持者数は
ヒラリーが多かったですが、
熱狂度でいえば、トランプに軍配でした。
プロレス度指数、
長渕剛ライブ度指数も圧倒的にトランプ。
盛り上げるだけ盛り上げて勝った結果、
いまは支持者だけでなく、
世界がトランプの一挙手一投足に注目しています。
集会で、トランプコールや
USAコールがあがると、
トランプは「もっと言え!」
という感じではなかったです。
もちろん内心、
気持ちは増長しているでしょう。
ただ時折、しゃべるのをやめ、
なだめるようなしぐさも見せました。
舞台裏を想像すると、トランプは、
熱狂ライブに出るミュージシャンの感覚。
プロとして「トランプ」を演じますが、
裏でも四六時中、
悪口を言っているはずがありません。
待ち受けるファンの方は、
いかにもトランプ支持者として待つ。
一方のトランプは、
表舞台でテレビを前に発する言葉とは裏腹に、
どこかもの静かな印象もありました。
これは当選後により顕著になっています。
■熱狂ファンさえ見せた戸惑い
NYで選挙当日、開票結果を待つ集会。
私はNH州の集会の参加でメールを登録していたので、
案内が届いていました。
VICTORY PARTYと銘打たれていました。
いかにもトランプっぽい勝利集会です。
ヒラリーの集会は、
劣勢が伝わるにつれてお通夜になったとの評判。
一方のトランプ会場、
開票が進んでトランプ優勢と伝わるにつれ、
「え? ほんとに勝っちゃうの?」
トランプ支持者からすれば、
トランプはカリスマ的存在なのですが
反権力をウリに支持を集めてきました。
実際に選挙に勝って権力を持つことは、
トランプ自身も、支持者も、
実は想像していなかったのじゃないかとさえ思います。
■「共和党のやりたい放題」が意味するところ
同時に行われた議会の選挙結果。
あまり注目してこなかったのですが、
現地の民主党支持者にこう水を向けました。
「上下院も共和党が過半数で、
トランプはやりたい放題ですね」
すると、その高齢男性は意外なことをいいました。
「いま大喜びしているのは、共和党議員じゃなく民主党議員だよ」
一瞬意味がわからず、理由も聞きました。
彼曰く
「民主党員はあと数年、何もしなくてもよい。
政治の全責任をトランプや共和党に押し付けられる。
民主党にはバケーションだよ、仕事しないね」
そんな考え方があるのか!と驚きました。
いわれてみれば確かにそうです。
民主党オバマは、議会で共和党が占めたため、
「ねじれ」がおきて「決められない政治」に。
オバマからすれば、言い訳が立ちますし、
それは民主党、共和党にとってもそうです。
落としどころを見つけないと、
どうにもこうにも、進まないのは、
どこまでも言い訳がきく政治といえますね。
ただ、トランプ政権は「決められる政治」
そんな状態で、言い訳はききません。
これからも独特の詭弁(きべん)で、
テレビが回れば、威勢のいいことも言うでしょう。
ただ、決められる政治で
大統領の椅子に座ると、逃げ場はないですね。
■当選トランプのおとなしさの背景に
大統領選勝利宣言だけでなく、
その後のオバマ会談、
各国首脳との電話会談。
いずれもトランプらしくないですね。
過激さより、しおらしさが目立ちます。
そしてあまり表に出てこない。
いまホワイトハウスのスタッフを
指名しつつありますが、
露出度をぐっと減らしています。
何をやっているか。
作戦会議に、ほかならないでしょう。
サンクスギビングやクリスマス、
お正月返上でやらないとマズイです。
実際に大統領になり、議会も含めて、
とてつもないパワーを与えられてしまいました。
いくら共和党内で分裂があるとはいえです。
選挙期間中の放言は
実際に勝利したら、だんだん現実に合わせ、
修正されていくという論は、
トランプに限らず、
歴代大統領の選挙で言われてきました。
そしてそれは今回も当てはまるでしょう。
メキシコとの国境は「壁じゃなく、フェンスも」
という発言の後退は、その一例です。
ただ、それ以上に、
いまトランプの軽口を封じているのは、
無言のプレッシャーでしょう。
もしかしたら、
大統領選で最大の売名行為をして、
ビジネスで大もうけするつもりだったかもしれません。
ヒラリーなるエスタブリッシュメント(既得権者)
が仮に勝っていれば、一生、目のかたきにできます。
日本版のトランプとも言われる
橋下徹・前大阪市長は在任の時、
議会とねじれて物事が進まなくなると、
「議会がバカだから仕方ない」
と批判の矛先をそらしていましたね。
トランプにいま、
そんな仮想敵も、ほぼいなくなりました。
ヒラリー支持者もトランプ支持者も、
「やってくれるんだろうな」
という目で待っています。
デモするヒラリー支持者に対しても、
さらに追い討ちをかけることもしない。
それは回りまわって、
「やってくれるんだろうな」と、
自分にまたプレッシャーをかけるだけだから。
残る敵は、大手メディアぐらいでしょう。
だからメディア叩きは続きます。
それがトランプの力の源泉ですからね。
■トランプたらしめたものは、いまや無い
トランプのビジネスキャリアは別ですが、
こと政治家トランプについていえば、
常に敗者であり、政治素人であり続けることが、
これまでトランプをトランプたらしめていたのです。
それが今は、政治家トランプに。
そんなトランプが現実を見ながら、
かつ支持者をひきつける突飛な政策を
打ち出して結果を出さないといけない。
後戻りできない戦いに入りました。
日本人にピンときやすい例は、
鳩山・小沢一郎が率いた
日本の民主党が政権交代した後の大失敗です。
当時敗れ去った自民党は、
福島第一原発事故も沖縄基地問題も、
すべて民主党政権に責任を負わせました。
それぐらい権力の集中は、
諸刃の剣なんだという前提に立てば、
裸の王様、トランプの
舞台袖にはけた後の表情が想像できませんか。
最近の発言の移り変わりも
違った見方をするようになりました。
これから先の道のりについて、
私なりに、ひも解きたいと思います。
トランプの集会@NH州
リポート第7回、最終回を兼ねます。
「Make America Great Again」
(アメリカを再び偉大に)
というキャッチフレーズで聴衆をあおり、
支持者からは圧倒的な支持を受けました。
本当にそのお鉢が回ってきてしまいました。
トランプは内心いま、焦っていると思います。
現場の集会や、アメリカでの報道、
そしてある民主党支持者との会話から、
背景や理由を書きます。
■熱狂ファンと見せた素顔
ヒラリー、トランプ、
同じNH州であった両方の集会に参加しました。
投開票間近で、
ヒラリーを見たときはヒラリー有利、
トランプを見たときはトランプ挽回、
そんな空気が会場に流れていました。
会場の大きさの問題もあって、
集まった支持者数は
ヒラリーが多かったですが、
熱狂度でいえば、トランプに軍配でした。
プロレス度指数、
長渕剛ライブ度指数も圧倒的にトランプ。
盛り上げるだけ盛り上げて勝った結果、
いまは支持者だけでなく、
世界がトランプの一挙手一投足に注目しています。
集会で、トランプコールや
USAコールがあがると、
トランプは「もっと言え!」
という感じではなかったです。
もちろん内心、
気持ちは増長しているでしょう。
ただ時折、しゃべるのをやめ、
なだめるようなしぐさも見せました。
舞台裏を想像すると、トランプは、
熱狂ライブに出るミュージシャンの感覚。
プロとして「トランプ」を演じますが、
裏でも四六時中、
悪口を言っているはずがありません。
待ち受けるファンの方は、
いかにもトランプ支持者として待つ。
一方のトランプは、
表舞台でテレビを前に発する言葉とは裏腹に、
どこかもの静かな印象もありました。
これは当選後により顕著になっています。
■熱狂ファンさえ見せた戸惑い
NYで選挙当日、開票結果を待つ集会。
私はNH州の集会の参加でメールを登録していたので、
案内が届いていました。
VICTORY PARTYと銘打たれていました。
いかにもトランプっぽい勝利集会です。
ヒラリーの集会は、
劣勢が伝わるにつれてお通夜になったとの評判。
一方のトランプ会場、
開票が進んでトランプ優勢と伝わるにつれ、
「え? ほんとに勝っちゃうの?」
という変な空気が流れていたと聞きました。
今回の結果は実は、
熱烈ファンにも意外だったのです。
今回の結果は実は、
熱烈ファンにも意外だったのです。
トランプ支持者からすれば、
トランプはカリスマ的存在なのですが
反権力をウリに支持を集めてきました。
実際に選挙に勝って権力を持つことは、
トランプ自身も、支持者も、
実は想像していなかったのじゃないかとさえ思います。
■「共和党のやりたい放題」が意味するところ
同時に行われた議会の選挙結果。
あまり注目してこなかったのですが、
現地の民主党支持者にこう水を向けました。
「上下院も共和党が過半数で、
トランプはやりたい放題ですね」
すると、その高齢男性は意外なことをいいました。
「いま大喜びしているのは、共和党議員じゃなく民主党議員だよ」
一瞬意味がわからず、理由も聞きました。
彼曰く
「民主党員はあと数年、何もしなくてもよい。
政治の全責任をトランプや共和党に押し付けられる。
民主党にはバケーションだよ、仕事しないね」
そんな考え方があるのか!と驚きました。
いわれてみれば確かにそうです。
民主党オバマは、議会で共和党が占めたため、
「ねじれ」がおきて「決められない政治」に。
オバマからすれば、言い訳が立ちますし、
それは民主党、共和党にとってもそうです。
落としどころを見つけないと、
どうにもこうにも、進まないのは、
どこまでも言い訳がきく政治といえますね。
ただ、トランプ政権は「決められる政治」
そんな状態で、言い訳はききません。
これからも独特の詭弁(きべん)で、
テレビが回れば、威勢のいいことも言うでしょう。
ただ、決められる政治で
大統領の椅子に座ると、逃げ場はないですね。
■当選トランプのおとなしさの背景に
大統領選勝利宣言だけでなく、
その後のオバマ会談、
各国首脳との電話会談。
いずれもトランプらしくないですね。
過激さより、しおらしさが目立ちます。
そしてあまり表に出てこない。
いまホワイトハウスのスタッフを
指名しつつありますが、
露出度をぐっと減らしています。
何をやっているか。
作戦会議に、ほかならないでしょう。
サンクスギビングやクリスマス、
お正月返上でやらないとマズイです。
実際に大統領になり、議会も含めて、
とてつもないパワーを与えられてしまいました。
いくら共和党内で分裂があるとはいえです。
選挙期間中の放言は
実際に勝利したら、だんだん現実に合わせ、
修正されていくという論は、
トランプに限らず、
歴代大統領の選挙で言われてきました。
そしてそれは今回も当てはまるでしょう。
メキシコとの国境は「壁じゃなく、フェンスも」
という発言の後退は、その一例です。
ただ、それ以上に、
いまトランプの軽口を封じているのは、
無言のプレッシャーでしょう。
もしかしたら、
大統領選で最大の売名行為をして、
ビジネスで大もうけするつもりだったかもしれません。
ヒラリーなるエスタブリッシュメント(既得権者)
が仮に勝っていれば、一生、目のかたきにできます。
日本版のトランプとも言われる
橋下徹・前大阪市長は在任の時、
議会とねじれて物事が進まなくなると、
「議会がバカだから仕方ない」
と批判の矛先をそらしていましたね。
トランプにいま、
そんな仮想敵も、ほぼいなくなりました。
ヒラリー支持者もトランプ支持者も、
「やってくれるんだろうな」
という目で待っています。
デモするヒラリー支持者に対しても、
さらに追い討ちをかけることもしない。
それは回りまわって、
「やってくれるんだろうな」と、
自分にまたプレッシャーをかけるだけだから。
残る敵は、大手メディアぐらいでしょう。
だからメディア叩きは続きます。
それがトランプの力の源泉ですからね。
■トランプたらしめたものは、いまや無い
トランプのビジネスキャリアは別ですが、
こと政治家トランプについていえば、
常に敗者であり、政治素人であり続けることが、
これまでトランプをトランプたらしめていたのです。
それが今は、政治家トランプに。
そんなトランプが現実を見ながら、
かつ支持者をひきつける突飛な政策を
打ち出して結果を出さないといけない。
後戻りできない戦いに入りました。
日本人にピンときやすい例は、
鳩山・小沢一郎が率いた
日本の民主党が政権交代した後の大失敗です。
当時敗れ去った自民党は、
福島第一原発事故も沖縄基地問題も、
すべて民主党政権に責任を負わせました。
それぐらい権力の集中は、
諸刃の剣なんだという前提に立てば、
裸の王様、トランプの
舞台袖にはけた後の表情が想像できませんか。
最近の発言の移り変わりも
違った見方をするようになりました。
コメント